消防法改正に伴うスプリンクラー設備及び自動火災報知設備の設置基準の見直しについて

 消防法令が一部改正されます!

 

 平成24年5月13日、広島県福山市のホテルにおいて死者7名、負傷者3名を出す火災が発生しました。また、平成25年2月8日、長崎県長崎市の認知症高齢者グループホームにおいて火災が発生し、死者5名、負傷者7名を出す惨事となりました。

 これらの火災を踏まえ、以下のとおり、スプリンクラー設備及び自動火災報知設備の設置基準などが見直されました。さらに、近年の福祉サービスの多様化に伴い、現行の消防法施行令(以下、「令」という。)別表第一における社会福祉施設等の分類と、その実態とが整合しない状況が発生していることから、防火対象物の用途区分の見直しが行われます。

 

1 スプリンクラー設備の設置基準の見直し

 火災発生時に自力で避難することが困難な社会福祉施設等(令別表第一⑹項ロに掲げる施設)において、現在延べ面積275㎡以上のものに設置が義務付けられているスプリンクラー設備について、原則として延べ面積に関わらず設置することが義務付けられます。

 

消防法施行令別表第一 ⑹項ロに揚げる施設一覧

スプリンクラー設備及び消防機関へ通報する火災報知設備に関するパンフレット

 

2 自動火災報知設備の設置基準の見直し

 小規模なホテル・旅館、病院・診療所、社会福祉施設等(令別表第一⑸項イ、⑹項イ及びハに掲げる施設)で利用者を入居させ、又は宿泊させるものに対して、現在延べ面積300㎡以上のものに設置が義務付けられている自動火災報知設備について、延べ面積に関わらず設置することが義務付けられます。

 

⑸項イ、⑹項イ及びハに揚げる施設一覧

自動火災報知設備に関するパンフレット

 

3 消防機関へ通報する火災報知設備に関する基準の見直し

 自力で避難することが困難な者が入所する社会福祉施設等(令別表第一⑹項ロに掲げる施設)における消防機関へ通報する火災報知設備について、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して自動的に起動することが義務付けられます。

 

⑹項ロに揚げる施設一覧

 連動に係る工事については、甲種第4類の消防設備士が行わなければなりません。着工届や消防             用設備等設置届出が必要です。 

 

4 防火対象物の用途区分の見直しについ

 軽費老人ホーム・小規模多機能型居宅介護事業所・複合型サービス事業所・老人デイサービスセンター等の施設のうち、避難が困難な要介護者を主として入居又は宿泊させるものは、令別表第一⑹項ロに分類されたことにより、スプリンクラー設備等の規制が強化されます。

 一時預かり事業を行う施設・家庭内保育事業を行う施設                            児童福祉法に規定する一時預かり事業を行う施設及び家庭的保育事業を行う施設は、保育所の分類と同様に令別表第一⑹項ハに分類されます。

 

5 施行期日

  平成27年4月1日

 

6 経過措置

 施行の際、既存の施設(新築、増築等の工事中を含む。)については、改正する事項に応じて経過措置が設けられています。

・上記1~3については、平成30年3月31日まで

・上記4については、下表のとおり、用途変更により設置が必要となる消防用設備等の種類により                   経過措置が異なります。

 

消防用設備等の種類

経過措置

消火器、簡易消火用具、漏電火災警報器、誘導灯

平成28年3月31日まで

屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報設備、避難器具

平成30年3月31日まで

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